ラ・サールの理念・教育方針

(そったく)の機

 「(そったく)の機」という言葉があります。「」とは、卵の雛(ひな)=生徒諸君が〈殻〉をつつく音のこと。それに応じて母鶏=ご父母や私たちが外から〈殻〉を突き破るのが「」といいます。

早過ぎず、遅過ぎず。

 「まさにこの時」というタイミングが「の機」であり、「得難い好機」という意味なのです。  社会で立派に通用する人間になるためには、人生で突き破らなければならない〈殻〉があります。その〈殻〉を突き破るのは、生徒諸君のたゆまない努力と、ご父母や私たちによる種々の場面での適切なアドバイスとが相まってこそ。

 私たちラ・サール進学予備校の優秀な教師陣と触れ合うことで、生徒諸君もこの〈殻〉を突き破ってくれると確信しています。

 そして、ラ・サール進学予備校での学習が「の機」をもたらすことは、私たち教師一同にとっても望外の喜びとなるのです。

『人材の育成』という高い理想をもって

 ラ・サール進学予備校が神奈川県の地に開講して、早いもので四十年余の歳月が過ぎました。この間、私たちは地域の一教育機関として、単に学力の向上のみを追求する塾としてではなく、社会に出ても立派に対処していける「人材の育成」という理想を高く掲げ、この実践のため日常の学習や生活を重視してきました。この私たちの指導姿勢に間違いなかったことは、幾多と輩出した卒業生がすでに社会人として立派に各分野で活躍していることでも立証されていると自負しています。

 ラ・サール進学予備校が他の学習塾と一線を画しているのも、この「人材の育成」を重視している点にあります。これからも社会を視野に入れた“私塾づくり”を心掛け、実践していく決意ですので、ご父母の皆様のご理解、ご協力をいただきたくお願い申し上げます。 

教育方針

 教育における陶冶性の大小は、自己の欠陥の自覚やつまづきの把握の深浅によるといえます。現在の自己を素直に、かつ客観的にみつめる透徹した眼が養われていれば、この欠陥の埋め合わせやつまずきの把握はスムーズにできることになります。すなわち、学力の向上が望めるということは、この透徹した眼を養うことにより、自己の欠陥をより早く発見し、未開の能力をいかに開拓するかにかかっています。この自覚と反省に立ち、未開の領域を切り拓いていく不撓不屈の精神力と、常に自らに問いかける謙虚さがあれば、「誰でもどんな学科でも好きになれるし、得意になれる」はずです。自己の無限の能力を開発していく営みこそ、たまらない充実感と喜びを覚えるものです。
 そこで、当校では学習意欲の昂揚に必要不可欠な四か条として

1.しっかりした目標を持つ

2.目標と現在の自己の学力の隔たりを自覚する

3.この隔たりを克服する手段・方法を講じ、前向きにチャレンジする強い精神力を培う

4.自己の学力の向上がはっきりと自覚できる

を生徒諸君に徹底させ、自立できる人間への道を歩めるように指導いたします。

我々教職員一同率先垂範し、伸びる子供に伸ばす環境を与えられるように勇往邁進いたします。