新学習指導要領の完全実施に併せ、神奈川県教育委員会は「神奈川県公立高等学校入学者選抜制度改善方針」を打ち出し、2013年入試より新しい入試制度が実施されました。「情報がないのは心もとない!」とご不安の方の為に、概要を解説いたします!
ポイント1:前期選抜・後期選抜制は廃止
●受検生全員が学力検査と面接を受けることになり、「基礎基本的な知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学習意欲」が総合的に見られることになります。特に学習意欲については、これまでの前期選抜の自己PR書のような事前に提出する書類と面接によって測られます。(*クリエイティブスクールでは学力検査は行われません)
●また、高校側は各校の特色に応じて「特色検査」を実施できるようになりました。内容は英語のスピーチや独唱、体育技能といった『実技検査』と、作文やグループ討論といった『自己表現検査』が該当します。特色検査を実施した場合、学力検査を3教科まで減らすことができます。この検査の有無は各校に委ねられますので、志望校についてチェックが必要です。
ポイント2:独自問題の廃止
●各教科の満点がこれまでの50点から100点となり、計500点満点となりました。点数の幅ができるため、記述問題の中間点が発生したり、広範囲からの出題が予想されたりします。
●独自入試問題が廃止され、問題が再び共通問題に一本化されます。これまで独自問題を導入していた高校は先述の「特色検査」の実施を導入し、他校との差別化を図っています
●高校側は2教科の範囲で1以上2以下の係数を乗じ、「教科の重点化」を図ることができるようになりました。各校の方針や動向を見逃さないことが大事です。
~選抜資料の比率を各校が設定~
●選抜資料(学力検査・調査書・面接)の割合は、2以上(合計10)の整数比を乗じて各校が設定するようになります。また、特色検査を実施する場合は、特色検査に5以下の整数を乗じ、加点します。これを『S値』としたとき、次のような数値の算出式になります。
S=ア×a+イ×b+ウ×c+(エ×d)
ア:調査書 2年時9科計+3年時9科計×2 の値を100点満点換算したもの イ:学力検査 英・数・国・理・社 計の値を100点満点換算したもの ウ:面接 面接の結果を点数化し、100点満点換算したもの エ:特色検査 100点満点換算。各校によって実施の有無が異なる *a・b・cは2以上の整数で、合計が10となるように配分 *dは5以下の整数で各校が定める |
●上記「S値」により定員の90%を、残りの10%は学力検査と面接で判断します。設定方法によっては調査書の比重を2割に引き下げることもできるようになりました。これまでの普通科後期選抜では調査書の比率が最低4割以上と設定されていましたので、特に進学重点校を中心に、学力検査の比重がかなり大きくなることが予想されます。